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「オートファジー」が植物の接木に関与|京都大学

2016年にオートファジーの仕組みを解明した功績により、
大隅良典さんがノーベル生理学・医学賞を受賞したことは
記憶に新しいですが、このオートファジーは、
細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための
仕組みのひとつです。

オートファジー|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/オートファジー

京都大学、名古屋大学、明治大学、
理化学研究所の研究グループは、良食味、高収量性、
耐病性 、耐暑性や耐寒性などのように、
それぞれが持つ形質を併せ持った個体として
生育させる技術である接木に着目し、
ナス科タバコ属の実験モデル植物を用いて、
接木境界部分の透過型電子顕微鏡観察を実施し、
接木とオートファジーの関係を調べています。

詳しくはリンク記事でご確認ください。

「オートファジー」が植物の接木に関与 | 京都大学
 野田口理孝 理学研究科教授(兼:名古屋大学特任教授)、黒谷賢一 同准教授(研究当時:名古屋大学特任准教授)、岡田健太郎 名古屋大学特任助教、吉本光希 明治大学教授、豊岡公徳 理化学研究所上級技師らの研究グループは、植物に接木を実施したときに生じる傷の修復過程にオートファジーが関与していることを発見しました。  接木は二つ以上の植物個体を人為的操作によってつなぎあわせて育成する、有史以前より利用されてきた農業技術です。その成立には個体間の自他認識、傷口からの病原体等の侵入抑制、組織の脱分化、カルス形成、細胞間の癒合、通道組織の再構成など、多数の生理応答が関わっていると考えられますが、まだまだ不明な点が多く残されています。今回、傷口の修復過程において、特に切断面の上側の細胞群がオートファジーによる自食作用で分解を受けることが新たなカルスの形成を促し、接木の成立に寄与することを示しました。これにより接木や、植物の傷修復時に起こる生理現象の一端が解明され、植物の傷害応答についての理解や、接木の農業利用のさらなる応用につながることが期待されます。  本研究成果は、2025年4月12日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
www.kyoto-u.ac.jp

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