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野生動物の珍しい行動を自動で発見・撮影するAIカメラ|大阪大学


野生動物に行動記録計(データロガー)や
GPS装置などの機器をとりつけ、動物自身の生態や
周囲の環境情報などを記録する手法を
「バイオロギング」といいます。

バイオロギング|環境展望台|国立研究開発法人国立環境研究所
https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=109

大阪大学、名古屋大学の共同研究グループは、
その希少な行動を低消費電力に自動発見し、
映像撮影する人工知能を搭載した
バイオロギングデバイスを世界で初めて開発。

この開発したバイオロギングデバイスの特徴や、
新潟県粟島に生息するオオミズナギドリを
用いたバイオロギング装置を用いた実験の結果とは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

野生動物の珍しい行動を自動で発見・撮影するAIカメラ – リソウ
大阪大学大学院情報科学研究科の大学院生の谷垣慶さん(博士前期課程)、前川卓也准教授、名古屋大学大学院環境学研究科の依田憲教授らの共同研究グループは、野生動物に取り付けておくだけで、その希少な行動を低消費電力に自動発見し、映像撮影するバイオロギングデバイスを世界で初めて開発し、野生の海鳥の効率的な飛行や採餌に関わるであろう希少行動を自動的に撮影しました。 動物に搭載するカメラを備えた既存のバイオロギングデバイスでは、バッテリ重量の制約上、常に映像を撮影し続けることは困難であり、多くの動物の詳細な行動は謎に包まれたままです。例えば、500gの海鳥に対しては、行動を阻害しないために体重の5%ほどのデバイスしか装着できず、その結果2時間ほどの映像記録しかできません。これでは、野生動物の行動の全貌を捉えることは難しく、特に稀にしか見せない行動は発見できないでしょう。 今回、研究グループは、消費電力の小さいセンサで動物の希少行動を自動で発見して撮影する人工知能を搭載したバイオロギングデバイス(図1左上)を開発しました。海鳥の希少行動を捉える実験では、図1右に示すような、飛行開始直後に頭を激しく振って体に付着した水分等を除くことで以降の飛行効率を向上させる行動および、海中の様子を何度も伺ってから効率的に魚を捕らえる行動の映像が初めて捉えられました。興味深いことに、頭振り行動は他種の海鳥も行うことが確認され、種横断的に同じ行動で飛行効率を保っている可能性が示唆されました。本技術により、効率的な動物の生態解明が実現されることが期待されます。 本研究成果は、米国科学誌「PNAS Nexus」に、1月16日(火)22時(日本時間)に公開されました。
resou.osaka-u.ac.jp

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