学習ニュース拾い読みのアイキャッチ画像

ハサミで音を奏でるカニ ナンヨウスナガニにおける発音行動の発見|京都大学

スナガニ科スナガニ属のカニは、世界中の温帯〜熱帯の
砂浜に広く分布しており、日本の砂浜でも見られます。
スナガニ属の多くは、ハサミを使って発音することが
知られているそうですが、ナンヨウスナガニや
ミナミスナガニは、例外的にハサミに発音器を持たない
種類なのだそうです。

京都大学、北九州市立自然史・歴史博物館、
すさみ町立エビとカニの水族館、信州大学の
研究グループは、和歌山県の紀伊半島南⻄部の
温暖な地域の砂浜で採取されたナンヨウスナガニの
雄を飼育観察し、大きな方のハサミを高速で震わせて
音を出す発音行動を発見し、音声を解析。

詳しくはリンク記事でご確認ください。
リンク先から展開するPDFに記載されたURLで
その音を聞くことができます。

ハサミで音を奏でるカニ―ナンヨウスナガニにおける発音行動の発見― | 京都大学
 後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター助教、山守瑠奈 同助教、朝倉彰 同特任教授、下村通誉 同教授、田之頭凜 理学部学生、竹下文雄 北九州市立自然史・歴史博物館学芸員、平井厚志 すさみ町立エビとカニの水族館長、土橋彩加 信州大学修士課程学生らの研究グループは、温暖な地域の砂浜に生息するナンヨウスナガニ Ocypode sinensis が、大きな方のハサミを高速で震わせることで発音を行うことを報告しました。スナガニ属はハサミを使った発音行動が有名で、ハサミの内側にある顆粒列(発音器)を同じ鉗脚の座節に擦り合わせたり、ハサミで地面を叩いたりして発音する種が知られています。しかし、ナンヨウスナガニは例外的にハサミに発音器を持たないため、これまで音を発するのか不明でした。巣穴の内部や入り口付近で発音していたことから、配偶相手を誘引する役割や、巣穴への侵入者に威嚇する役割がある可能性が考えられます。振動するハサミの動きは非常に高速で観察が難しく、詳細な発音機構は明らかにできていません。その解決が今後の課題となっています。  本研究成果は、2025年5月30日に、国際学術誌「Plankton and Benthos Research」にオンライン掲載されました。
www.kyoto-u.ac.jp

 

[PR]