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キタオットセイの北上回遊行動を衛星追跡で解明 海洋環境要因と北上回遊行動の関係|京都大学

キタオットセイは、毎年秋に繁殖地を離れて南下し、
冬の採餌海域へ向かい、翌年春から繁殖地へ戻るという
季節的に長距離を移動する鰭脚類の一種です。

京都大学、米国ハワイ大学マノア校、北海道大学の
研究グループは、冬季におけるキタオットセイの移動経路や
生息域を把握することを目的として、北海道日本海沿岸の
松前沖において、若齢のオスのキタオットセイ5個体に
衛星発信器を装着し、繁殖地へ向かう北上回遊中の
移動経路と、移動中に見られる海洋環境への
行動的応答を調査。

分析の結果からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

キタオットセイの北上回遊行動を衛星追跡で解明―海洋環境要因と北上回遊行動の関係― | 京都大学
 李何萍 野生動物研究センター博士課程学生、三谷曜子 同教授、土橋稜 米国ハワイ大学マノア校(University of Hawaiʻi at Mānoa)博士課程学生、三寺史夫 北海道大学名誉教授(研究当時:同教授)からなる研究グループは、衛星発信器を用いてキタオットセイの北上回遊と海洋環境との関係を明らかにしました。キタオットセイは、繁殖地と越冬地のあいだを季節的に長距離回遊する鰭脚類であり、日本近海は非繁殖期に豊富な餌資源を提供する主要な越冬海域のひとつです。これまで、繁殖地からの南下回遊についてはよく知られていましたが、春に越冬海域から繁殖地へと戻る北上回遊については、タグの脱落や電池寿命、海上での捕獲といった技術的な制約により、詳細な情報が不足していました。本研究では、衛星発信器を用いて若齢のオス個体(亜成獣および未成熟個体)の北上移動を追跡し、移動経路や行動の特徴を記録しました。その結果、餌となる生物が集まりやすい大陸棚縁辺部や、水温8~13℃の海域で採餌行動が集中していることが明らかになりました。さらに、キタオットセイは高気圧性渦の縁辺部を利用して移動する傾向も確認され、長距離移動におけるエネルギー消費を抑えるために、渦の縁辺部を利用している可能性が示唆されました。
www.kyoto-u.ac.jp

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