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今回からExcelの小技集を展開します。
と書き出す予定でしたが、小技だと思っていたものが
実は大技だったというオチでして 。
それは、「名前の定義」です。
今回説明する「名前」の機能って使ったことなかったわー。
TIPSとして説明しようと思っていたけど、結構使える機能だし、丁寧に説明しないとわかりづらいってこともあって、独立した記事にしてみた。
これ、もっと早く知りたかったわ。卒業論文のときに集計や、統計解析の一部をExcelでやっていたんだけど、その時にどこを参照しているのかが、この方法ならぱっとわかるよね~。
そう!今回は「名前の定義」方法を丁寧に説明します!!
“できる人こそ「名前の定義」 を駆使している”
と聞いたこともあります(笑)
どんな機能なのか、主な機能を重点的に
説明してみたいと思います 。
前回までと同様、文中で使用しているのはExcel2010です。
名前の定義の活用
知らない人には「?」な名前の定義。
これは、セルや範囲、定数などに名前をつけられる機能のことです。
以前作ったExcelファイルを開くとき、
入力されている数式が、
いったい何を参照して何を導きたいものなのか、
ぱっと見ただけでは分かりづらい場合があります。
そんなとき、データの範囲などに分かりやすい名前が設定されていると
すぐに何の数式なのかがわかるという訳です。
Microsoft のOffice Supportページに挙げられている例を見てみましょう。
=PRODUCT(A5,8.3)
という数式のままだと何のことか分かりませんが、
=PRODUCT(価格,ワシントン州税率)
という数式なら、消費税額を導きたい数式なのだな、
とすぐ分かりますね。
これは、価格が入っているセルと8.3という定数に
「価格」「ワシントン州税率」という名前を
定義しているのです。
では、実際にどのように定義すればいいのか、
その方法を説明します。
データ範囲に名前を定義
名前を定義したいセル、セル範囲などを選択し、
数式バーの左隣にある[名前ボックス]をクリック。
わかりやすい任意の名前を入力し、Enterをクリック。
この場合は、「単価」と入力しました。
名前ボックスの▼ボタンをクリックすると、
今、作成した名前「単価」がリストされています。
同様に、D3:D4も「数量」と定義しておきます。
税込価格の数式は =単価*数量 と表示され、分かりやすくなります。
定数に名前を定義
次に、定数、つまり数値自体に名前をつけます。
先ほどのブックに、「消費税」という名前を
定数に付けたいと思います。
(1)[数式]タブにある[定義された名前]の
[名前の定義]をクリックし、
さらに[名前の定義]をクリック。
(2)[新しい名前]ダイアログボックスが表示されますので、
「名前」に消費税、「範囲」はブック、
「参照範囲」に0.08と入力し、
[OK]ボタンをクリックします。
これで、このブック上では0.08に
「消費税」という名前が定義されました 。
これにより、税込価格の数式は
=単価*数量*(1+消費税)となります。
例えば将来その定数が変動すると見込まれるときに、
名前を定義しておくと、名前のダイアログボックス上で
定数だけ変更すればいいので
メンテナンス(変更)が非常に楽になります 。
その一例が「消費税」です 。
3%から始まり、5%、8%、
そして近いうちに増税が見込まれています。
税率に名前を付けておけば、
もし税率が変更された場合も、
もとの定義を変更するだけで、
名前を使った数式すべてを
修正する必要がなくなる、というわけです。
実際に消費税の変更が
必要になった時の手順は以下の通りです。
名前の管理・変更
(1)[数式]タブにある[定義された名前]の
[名前の管理]をクリックすると、
[名前の管理]ダイアログボックスが表示されます。
(2)「消費税」を選択し、[編集]ボタンをクリック。
(3)[名前の編集]ダイアログボックスが表示されるので、
「参照範囲」の数値を変更します。
これで、消費税という名前を使ったすべての数式において、
消費税率の変更が適応されることになります。
また、[名前の編集]ダイアログボックスでは、
名前を付けたデータ範囲の範囲変更などにも使用できます。
表の項目名から複数の名前を一度に作成
先ほどは設定した「単価」「数量」は、
実は単価が入力された列の項目名でした。
名前の定義に置いて、データ範囲の項目名を
名前にすることってとても多いと思います。
そういったときに、わざわざ一つ一つ自分で
名前を定義していかなくても、
表の項目名から、一発でデータ範囲の
名前を作成することもできます 。
(1)表の中で、名前を付けたい複数のデータ範囲が
入った部分を選択後 、[数式]タブの[定義された名前]にある
[選択範囲から作成]をクリック。
(2)[選択範囲から名前を作成]ダイアログボックスが
表示されるので、名前にあたる部分を選択します。
下図の場合は 表の一番上端の項目名を
名前に使用したいので、チェックボックスの
「上端行」にチェックを入れます 。
(3)[名前の管理]を見ると、3つの名前が定義されているのがわかります。
名前の置き換え
あらかじめ数式を入力した後に、
その式で参照しているセル範囲に「名前」を付けた場合、
そのセル範囲が自動的に定義した「名前」に
置き換わることはありません。
そうなると便利なのですけれども
残念ながら再設定が必要となります。
ただ、比較的簡単な手順でデータ範囲を
「名前」に変えることが可能です。
下図を例に商品単価の平均を求める数式を見てみましょう。
「単価」と名付けたデータ範囲ですが、
C3:C12のままです。
では、定義した名前に置き換えます。
(1)数式の「C3:C12」部分を選択します。
(2)メニュー[数式]タブの「定義された名前」にある
[数式で使用]の▼をクリック。
定義した名前のリストが表示されるので、
そこから「単価」を選択してください。
(3)数式の中のデータ範囲が「単価」と表示されました。
この事例のように、作表したデータを使って
後から数式を設定していくときに、
データ範囲を分かりやすい名前で表示しておけば、
複数の数式が並ぶような表を作っても、
その数式が何を参照しているのかすぐにわかって便利です 。
ぜひ、「名前の定義」を活用してみてください。
いかがでしたか?次回はExcelの便利Tips をお送りします。お楽しみに!
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