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これまで公開していた
Microsoft Office 2010版「ITスキル」シリーズを
Offce365(投稿時点ではOffice2016と同様の機能)に
バージョンアップしてお届けします。
Office365版のWord編、
第19回目は『画像のレイアウトとオブジェクトアンカーの使い方』です。
なお、Word2010版をご覧になりたい方は、
こちらをご覧ください。
目次:ITスキル【Word編】(Office2010版)
https://andla.jp/wp/?page_id=1337
※2020年4月22日(日本時間)より
「Office 365」 は 「Microsoft 365」になりました。
この記事は投稿時点で「Office 365」 と呼ばれていたので
記事内はその名称のままになっておりますので置き換えてご覧ください。
基本的に大きな変更点はなく、さらに新しい機能が追加されました。
詳しくは公式ページでご確認ください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/
「画像」の第2回目だね。今回は画像を貼り付けた時のレイアウトとオブジェクトアンカーの使い方かぁ。Wordのアンカーマークを見ると、どこかの波止場を思い出すねぇ。(妄想中)
昭和の映画みたいなことを言ってるし。実際に論文を書いていて、どんなことに困ったのかしら。
悩ましかったのは、とにかく画像が動いちゃうってことだね。ここに貼りたいのに文章の編集をするたびに、挿入したはずの画像があっち行ったりこっち行ったりして、探すのが大変だったんだよねぇ。なんでここにいるのよってところに貼り付けられていたりして、とほほな感じだったよ。
Word for Microsoft365版では、その問題点が改良された模様です。
それも含めて説明しますね。では、始めましょう!
画像のレイアウト
・行内
・四角形
・狭く
・内部
・上下
・背面
・前面
オブジェクトアンカーの使い方
・オブジェクトアンカーとは
・画像の移動によるオブジェクトアンカーの移動
段落を削除してもオブジェクトは残る
・オブジェクトを残して段落を選択→削除する場合
・オブジェクトごと段落を選択→削除する場合
オブジェクトをページ上に固定する
オブジェクトアンカーの固定
Part2では、「画像のレイアウト」と
「オブジェクトアンカーの使い方」について取り上げます。
文章内での画像の配置はどうすればいいのか、
また、画像と段落の関係性、
テキストが削除されたら画像がどうなるの?
といった疑問にもお答えします。
Microsoft 365を使って説明します。
画像のレイアウト
画像を任意の場所に貼ったり、
またはドラッグで移動してきたりすると、
画像は「行内」扱いで貼り付けられるため、
例えば下図のように、行の幅が写真の分だけ
大きくなってしまいます。
テキストをオブジェクトの周囲に配置したい、
画像右側へのテキスト入り込みをふせぎたい、
という悩みがある場合は、
レイアウトオプション「文字列の折り返し」で
「行内」以外の設定をすると、
画像を思い通りの位置に配置できます。
画像を選択すると、画像のそばに
[レイアウトオプション]マークが現れます。
これをクリックすると、様々な
「文字列の折り返し」パターンが表示されます。
なお、以下の方法でもレイアウトオプションと同様に、
文字列の折り返しの変更が可能です。
・メニュー[図の形式]の「配置」エリアにある「文字列の折り返し」
・メニュー[レイアウト] の「配置」エリアにある「文字列の折り返し」
それでは、レイアウトオプション「文字列の折り返し」の
各設定について説明します。
まず、図形オブジェクトが「行内」に配置された様子です。
・行内
通常、コピー&ペーストやドラッグで図を移動すると、
図の周りの文字列の折り返しは
「行内」という状態になっています。
「行内」では、図はまるで一つの文字のように扱われます。
文字と同じ状態なので、「中央揃え」などの
配置も可能となります。
図が入った行の幅が極端に大きくなってしまうため、
論文制作等においては、あまり文字列の折り返しを
「行内」にしないと思います。
たとえばワードアートで作ったタイトルなどは、
中央や左、右など配置のアレンジが簡単にできるため、
「行内」にすると便利な時もあります。
・四角形
オブジェクトの形に関係なく、
四角く文字列が折り返されます。
・狭く
以前は「外周」とも呼ばれていたオプションと同じです。
オブジェクトの外周に沿って文字列が折り返されます。
・内部
この「内部」は、より画像の近くにテキストを
配置したい場合などに使います。
ただほとんどの場合、「内部」を選択しただけでは、
上の「狭く」を選んだときと比べて、
変化は見られません。
これを利用するには、以下の手順が必要となります。
(1)オブジェクトを選択した状態で、
「内部」をクリックした後、上のメニュー[レイアウト]の
[文字列の折り返し]をクリック
(2)「折り返し点の編集」をクリック
(3)オブジェクトに沿って、赤いラインと
四角い黒点が表示されます。
この赤いラインが、文字列が入り込める境界線となります。
四角い黒点をドラッグして、文字列の
入り込むエリアを設定していきます。
(4)赤いラインを調整して、リボンの間際まで
文字列を入れ込んでみました。
下が、「内部」に変更した後の文書です。
「内部」は入り組んだオブジェクトのスペースにも
テキストを流したいときに使う
特殊な折り返しだと言えます。
・上下
オブジェクトの左右に文字は配置されず、
文字列が上下に分かれた中にオブジェクトが存在します。
・背面
オブジェクトは文字列の背後に回ります。
テキスト自体の移動は起こりません。
・前面
オブジェクトは文字列の前に回ります。
重なった後ろのテキストは読めなくなります。
「背面」と同様、オブジェクトの挿入による
テキスト自体の移動は起こりません。
オブジェクトアンカーの使い方
オブジェクトアンカーとは
Wordでは、オブジェクトや画像は
段落に結び付けられています。
『画像がどの段落に結び付けられているのか』
を表すマークが錨のマーク「オブジェクトアンカー」です。
「オブジェクトアンカー」は、オブジェクトの配置が
「行内」の場合、属する段落が明らかなため、
表示されません。
配置が「四角形」「上下」などの「行内」以外の場合、
画像を選択すると、結びつけられている
段落の左余白等に、錨マークのオブジェクトアンカーが
表示されます。
このマークが、青色のリボンオブジェクトが
オブジェクトアンカーのある段落に属している、
ということを示しています。
画像の移動によるオブジェクトアンカーの移動
Wordの既定により、画像は最も近い段落に
結び付けられることになっており、
画像を移動すると、画像は移動した先の段落に
結び付けられるため、オブジェクトアンカーも
次の段落に移動します。
下図では、オレンジ色テキストの段落に
結び付けられていた画像が、
緑色テキストの段落に移動することにより、
オブジェクトアンカーが移動しています。
画像は、緑色テキストの段落に
結び付けられていることを示しています。
段落を削除してもオブジェクトは残る
以前、Wordでは
「改行すると同時に画像などのオブジェクトが一緒に移動してしまう」
「文字を削除したら画像も消えてしまった」
などの悲劇が間々見られました。
ですが、Word for Microcoft365版では、
その問題が改善されているようです。
例えば、以前は画像のオブジェクトアンカーの
属する段落を削除すると、
画像もいっしょに消えていたのですが、
Word for Microcoft365版では、
テキストを削除しても、
自動的に次の段落にアンカーが移動し、
画像も残ります。
ただし、その場合は、画像やオブジェクトを
選択しないように気を付ける必要があります。
下の二つのテキスト選択の仕方を比べてください。
文字列の折り返しは 「四角形」を選択しています。
・オブジェクトを残して段落を選択→削除する場合
ラストの段落マークを含まないようにテキストを選択してください。
オブジェクトは削除されず、オレンジ色のテキストだけが削除されます。
・オブジェクトごと段落を選択→削除する場合
ラストの段落マークも含んでテキストを選択してください。
オレンジ色のテキストと共にオブジェクトも削除されます。
それでは、テキストの選択方法に留意しながら、
テキストだけを削除してみます。
(1)この画像の属する緑色の段落の末尾の
段落マークを含まないように選択し、段落を削除
(2)下の紫色の段落内に画像が残ります
※注意!
テキストの選択がうまくいかず、
「いろいろやっても、テキストの削除とともに画像が削除されてしまう・・・」
とお嘆きの方は、あらかじめテキストや
段落を削除する前に、オブジェクトアンカーを
次の段落に移動させておくのがベターです。
オブジェクトアンカーの移動は、
錨のマークをドラッグするだけ。
錨のマークをドラッグした先の場所に、
オブジェクトはアンカーされる仕組みになっているので、
テキストの移動・削除の前に、次の段落などに
オブジェクトアンカーを移動させておくとよいでしょう。
オブジェクトをページ上に固定する
これまで見てきたように、オブジェクトが
テキストの追加、削除に合わせて上下に移動するのは、
レイアウトオプションで「行内」以外を選択した場合に
デフォルトで [文字列と一緒に移動する] が
有効となっているからです。
逆に、テキストを移動しても、オブジェクトを
ページの任意の位置に固定したい場合は、
[ページ上の位置を固定]の方にチェックを入れます。
そうすると、オブジェクトアンカーが属する
テキストが移動しても、
オブジェクトは移動しません。
(1)レイアウトオプションで 「ページ上の位置を固定」 にチェック
(2)改行を入れることでオレンジ色のテキストを移動させ、
それに合わせてオブジェクトアンカーが移動しても、
オブジェクトはページの同じ位置に固定されています。
オブジェクトアンカーの固定
オブジェクトアンカーは、
論文作成時などでは、「見出し」などに固定すると、
テキスト移動や削除によって
オブジェクトの位置に悩まされることが
少なくなると思います。
下では、写真オブジェクトのアンカーを、
『2 研究の背景』という見出しに移動させています。
とはいっても、オブジェクト自体を移動してしまうと、
原則に従って、オブジェクトアンカーは
最寄りの段落へ移動してしまいます。
それを防ぐためには、オブジェクトアンカーを
ロックする必要があります。
[レイアウトウィンドウ]が表示されます。
そこで、[アンカーを段落に固定する]を選択し
OKボタンをクリックします。
こうすると、オブジェクト自体が移動しても、
属する先は変更されなくなります。
●レイアウトオプションの [ページ上に固定する] は、
ページ上の任意の位置に、
オブジェクトを固定するということ
●詳細設定のレイアウトウィンドウ
[アンカーを段落に固定する] は、
オブジェクトと段落をがっちりつないで
固定させるということ
見出しにオブジェクトアンカーを移動して、
[アンカーを段落に固定する] を有効にしておくと、
論文の校正時に、見出しを含む段落ごと移動しても、
オブジェクトもいっしょに移動することになります。
いかがでしたか。
なかなか文章だけではわかりにくく、実際に自分の原稿でさまざまなテキストの折り返しオプションを試してみて慣れてみる、というのが一番だと思います。
次回はWord内でのグラフの作成、Excelで作ったグラフの貼り付けについて取り上げます。どうぞお楽しみに。
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