\アパレル界のリサイクルに革命を!/ 混紡繊維を分別・リサイクルする新技術 – ResOU
大阪大学大学院工学研究科の宇山 浩教授らは、綿/ポリエステル混紡繊維を分別・リサイクルする技術を開発しました。綿はマテリアルリサイクルされ、ポリエステルはケミカルリサイクルによりPET(ポリエチレンテレフタレート)の前駆体であるBHET(テレフタル酸ビスヒドロキシエチル)を高純度で回収しました(図1、特許出願済み)。
本技術では電子レンジと同じ原理であるマイクロ波による加熱を利用します。混紡繊維と触媒をエチレングリコールに入れ、マイクロ波で数分間加熱します。綿はそのまま残り、回収して再利用できます(図2)。反応液からの再結晶により、PET製造プロセスにおける前駆体であるBHETが高純度で回収されました。
アパレルファッション産業は石油に次いで第二位の環境汚染産業と指摘され、ファストファッションはそのシンボルとされます。衣料品の大量生産・大量消費・大量廃棄は環境破壊につながり、日本ではごみに出される衣料品(47万トン、環境省資料2022年)の95%が焼却あるいは埋立されている(手放した衣料品全体の約66%)ことから、リサイクル技術の開発が切望されています。衣料品のリサイクルが進まない原因として、衣料品の半分近くを占める綿/ポリエステル混紡繊維は従来技術では綿とポリエステルに分離できず、再資源化できないことが挙げられます。一方、今回の新技術は綿/ポリエステル混紡繊維を分別して、繊維等に再利用・再資源化できることから、アパレル産業の環境負荷低減を可能とします。