配偶者の心血管疾患と本人の認知症の関係が明らかに | 京都大学
井上浩輔 白眉センター/医学研究科准教授と、古村俊昌 米国ボストン大学(Boston University)修士課程学生、Maria Glymour 同教授、津川友介 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授、Elizabeth Rose Mayeda 同准教授らの研究グループは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の医療レセプトのデータ(約9.3万人)のデータを用いて、配偶者の心血管疾患(CVD)によって本人の認知症リスクが上昇することを明らかにしました。 これまでの研究により、CVDは認知症の発症に繋がる重要なリスク要因であることが報告されていました。一方で、個人のCVDがその家族の認知症のリスクにどの程度影響しているかについては明確な検証がされていませんでした。本研究では、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する世帯主(被保険者)とその被扶養者を対象とし、被扶養者のCVD発症(脳卒中、心不全、心筋梗塞)の有無における世帯主の認知症診断のリスクの変化を比較しました。その結果、被扶養者がCVDを発症した家庭では、そうでない(被扶養者がCVDを発症していない)家庭と比べて、世帯主が認知症の診断を受けるリスクがより高く認められました。