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環境変化がラッコの捕食行動に与える影響の解明―道東における赤潮の影響― | 京都大学

ラッコは、世界的に生息域や個体数の減少を受けて
保護対象となっており、ワシントン条約で取引が規制され、
国際自然保護連合(IUCN)が2000年から
絶滅危惧種に分類しています。

ラッコ|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラッコ

京都大学、北海道大学、テキサスA&M大学の
研究グループは、北海道東部に生息する
野生のラッコを対象として、2020年から2023年までの
4年間の夏季に調査チームはラッコの捕食行動
(GPS の位置、潜水時間、餌の種類、餌の数、
餌の大きさ、潜水間隔)と、
赤潮前(2020-2021年)、赤潮直後(2022年)、
赤潮から 1 年後(2023年)の3つの期間における
底生生物の密度の定量化を実施。

調査の結果からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

環境変化がラッコの捕食行動に与える影響の解明―道東における赤潮の影響― | 京都大学
 三谷曜子 野生動物研究センター教授、Jackson Johnstone 北海道大学博士課程学生、鈴木一平 同特任助教、Randall W. Davis 米国テキサスA&M大学(Texas A&M University)教授らの研究グループは、赤潮による環境変化がラッコの捕食行動に与える影響を明らかにしました。  北海道の東部沿岸域(以下、「道東沿岸域」)には2014年より繁殖個体が確認される小さなグループのラッコが再定着しつつありますが、2021年10月に大規模な赤潮が発生し、底生生物を主要な餌生物とするラッコへの影響が懸念されていました。道東沿岸域は日本有数の豊かな漁場であり、この赤潮によってウニ、軟体動物、各種二枚貝など、経済的に価値のある水産資源の大量死が赤潮の発生直後から確認されていました。本研究では、目視観測によるラッコが捕食した餌生物の構成と、ダイビングによる底生生物の密度の定量化を実施しました。その結果、赤潮の後はラッコが捕食した餌生物の構成からウニが消失し、二枚貝が増加しており、同様の傾向が底生生物の密度においても確認されました。しかし、この影響は赤潮発生から1年以上が経過すると解消されることが判明しました。この研究の成果は、大規模な環境攪乱があった際のラッコの保全に役立つことが期待されます。
www.kyoto-u.ac.jp

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