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手を伸ばす運動の「照準」を合わせる脳の仕組みを解明|大阪大学

目の前にあるものを取ろうとする時に、その目標に
手を伸ばしてつかもうとします。こうした動作の際、
手を伸ばした位置の誤差の修正を行うような
運動学習において脳のどの部分がその役割を
担っているかについて調べた研究結果をご紹介します。

大阪大学の研究グループは、サルを対象として、
サルが目の前に出る十字の目標に向かって手を伸ばす時、
わざと間違いを起こすように、コンピュータ制御した
プリズム装置を使って、ランダムな方向に視野をずらす
という実験を行い、その間の脳の活動を記録。
また、運動終了直後の0.2秒間に微小な電気刺激を
加えるという実験も実施。

今回の実験結果からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

手を伸ばす運動の「照準」を合わせる脳の仕組みを解明 – ResOU
大阪大学大学院生命機能研究科ダイナミックブレインネットワーク研究室 北澤 茂 教授と 井上 雅仁 招へい准教授らは、サルを対象とした実験により、手を伸ばす運動中および運動直後に、小細胞性赤核に運動誤差に関する神経活動が現れることを発見しました。 さらにこの小細胞性赤核を、運動終了後の0.2秒間に微小電気で刺激すると、次回の運動の照準が誤差方向と逆に少しずつ修正されることを明らかにしました。たとえば、「手が目標の右下にずれた」と報告する小細胞性赤核ニューロンを刺激すると、次の運動は左上方向へと修正されます。この誤差修正は累積的に生じ、30試行で最大40mmもの誤差が生じました(図2)。 これらの結果は、小細胞性赤核が「間違いの信号」を検出・伝達し、小脳を介して運動学習を誘導していることを初めて明確に示したものであり、今後のリハビリテーション技術への応用が期待されます。  本研究成果は、2025年4月19日に米国科学誌電子版「Cell Reports」に掲載されました。
resou.osaka-u.ac.jp

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