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空間的な生物多様性を推論するための理論を構築 生物多様性の地域間の違いや増減を定量評価|京都大学

どの地域にどのくらいの生物がどのようなバランス
で生息しているかを表す概念である生物多様性ですが、
生物は局所地域レベルの多様性(アルファ多様性)から
生物圏全体の多様性(ガンマ多様性)に至るまで、
いろいろな空間的スケールで生息分布しています。

京都大学、マドリード工科大学、リンカーン大学、
理化学研究所、ブラナス高等研究所の
国際研究グループは、「異なる地域を訪れることで
異なる生物種を見つけやすい」ことを意味する際に
用いられる、局所地域間の差異を測る
生物多様性概念であるベータ多様性指標について
地域ごとの環境条件の違いを考慮した上で、
生物種数のベータ多様性の確率分布を推定するための
理論の一般化と複雑な解析を可視化するためのツールと
組み合わせて結果を直感的に理解する手法も提案。

詳しくはリンク記事でご確認ください。

空間的な生物多様性を推論するための理論を構築―生物多様性の地域間の違いや増減を定量評価― | 京都大学
 辰巳晋一 農学研究科准教授、入谷亮介 理化学研究所上級研究員らの国際共同研究グループは、空間的な生物多様性の確率分布を推定するための理論を構築しました。本理論は、生物種の在・不在をファジー集合理論の枠組みを用いて表現し、理論物理学で用いられる手法や数学的概念を駆使して解析を行った学際的研究成果です。  本成果は、生息する生物種数の地域間の違いやその増減を定量評価し、生物圏における環境変動が生物多様性に及ぼす影響を予測することに貢献すると期待されます。  生物種数に関する空間的な多様性(ベータ多様性)指数は、その地域差を表す量です。ベータ多様性指数が高いということは、「異なる地域を訪れることで異なる生物種を見つけやすい」ことを意味します。本研究グループは、地域ごとの環境条件の違いを考慮した上で、生物種数のベータ多様性の確率分布を推定するための手法を提案しました。これまでの理論においては、どの生物種がどの地域で見つかるかという確率は、どの地域でもどの生物についても同一であると仮定されていました。本研究ではその理論の一般化に成功し、かつ、複雑な解析を可視化するためのツールと組み合わせて結果を直感的に理解する手法も提案しました。  本研究成果は、2025年6月4日に、国際学術誌「Ecography」にオンライン掲載されました。
www.kyoto-u.ac.jp

 

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