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人の単純な顔運動にひそむ複雑な皮膚変形の様子を可視化|大阪大学

笑ったり、怒ったり、驚いたり、あるいは目を閉じたり
というように人の顔はさまざまな動きを見せます。

こうした表情を作る際には、表情筋が周囲の
皮膚や皮下組織に駆動力を与えることで
顔表面の3次元運動を操り、感情や意図などの
情報を表示しているとも言えます。

大阪大学の研究グループは、先行研究で得られた
高精度のデータ(44種の顔の運動ごとに
100点以上の顔皮膚空間位置の変化を計測したもの)
を用いて、口角をあげる、まぶたを閉じる、などの
44種の人の顔運動における皮膚の面積ひずみの状態を
高い解像度で可視化し、人の顔皮膚の
複雑な変形の様子を詳しく捉える手法を開発。

その手法で分析した結果からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

人の単純な顔運動にひそむ複雑な皮膚変形の様子を可視化 – リソウ
大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻の三須龍さん(当時大学院生)、石原尚講師、中谷彰宏教授らの研究グループは、口角をあげる、まぶたを閉じる、などの44種の人の顔運動における皮膚の面積ひずみの状態を高い解像度で可視化し、人の顔皮膚の複雑な変形の様子(図1)を詳しくとらえる手法を開発しました。 人の顔皮膚および皮下組織の構造の複雑さから、皮膚の変形は複雑であることが予想される一方で、皮膚の各部分が様々な方向に動くことで生じる局所的な皮膚の引っぱりや圧縮といったひずみの様子がどうなっているかについては、これまでほとんど調べられてきませんでした。 今回、研究グループは、先行研究で得られた高精度のデータ(44種の顔の運動ごとに100点以上の顔皮膚空間位置の変化を計測したもの)に対してなめらかな曲面補間をかけたうえで、連続体モデルを用いた変形理論によるひずみ解析を実施しました。その結果、複雑ながら合理的なひずみの分布が明瞭に可視化されることを確認しました。 ひずみ分布には、表情筋が皮膚をけん引する位置や、皮下の動きをなめらかにしたり、あるいは妨げたりする皮下組織の配置が反映されると見込まれるため、ひずみの可視化によって、肉眼ではとらえにくい皮下構造の様子を透かし見た結果が得られている可能性があります。 今後、顔のひずみの分布の個人差や、個人の特性との関連を明らかにすることで、表情認識や個人識別の精度向上、あるいは従来人間の勘に頼っていた顔面運動の異常の自動診断などへの展開が期待されます。また、人の顔の複雑な皮下構造によって、一見単純に思える顔の筋運動から複雑なひずみが生じる力学的メカニズムをさらに調べることで、アンドロイドロボットやコンピュータグラフィクスなどの人工の顔の変形の仕組みの設計を高度化し、より奥深い表情を多様に表現させられるようになることも期待されます。 本研究成果は、2023年11月2日(木)(日本時間)に、日本機械学会欧文誌「Mechanical Engineering Journal」に早期公開版として掲載されました。最終版の論文は12月15日(金)(日本時間)に本公開予定です。
resou.osaka-u.ac.jp

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