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カエルの鳴き声をAIで識別する―繁殖活動の高効率なモニタリング調査に向けて―|京都大学


繁殖期になると水田や池などの水場に集まって
盛んに鳴くカエルの声を聞いたことがある人は
多いかもしれません。

カエルの生息調査を行う際には音声レコーダーを用いて
録音した音声データを解析するそうですが、
こうした録音データはすぐに膨大になり
解析しきれなくなることが課題なのだそうです。

京都大学の研究グループは、ディープラーニングの
一種であるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)と
呼ばれるモデルを用いて、調査地に現れた5種の
カエルの鳴き声を識別することを試みる実験を行いました。

野外で録音したた約2700の短い音声クリップについて
調査者がカエルの種のラベル付けを行い、
それを教師データとしてAIに学習させて
対象とした5種のカエルの音声を識別させる
実験を行った結果はどうなったでしょうか。

詳しくはリンク記事でご確認ください。

カエルの鳴き声をAIで識別する―繁殖活動の高効率なモニタリング調査に向けて― | 京都大学
 繁殖期になると水場に集まり盛んに鳴きだすカエル類は、目で見るよりも耳をすませるほうが効率的に探すことができます。そのため生息調査では音声レコーダーを用いた音響モニタリングが広く実施されてきましたが、録音データはすぐに膨大になり解析しきれなくなることが課題でした。  木村楓 理学研究科博士課程学生および曽田貞滋 名誉教授の研究グループは、近年発達したAI技術を用いてカエルの鳴き声を自動で判別し、繁殖活動のモニタリングに用いる手法を確立しました。鳴き声を学習させたAIは、調査地に現れた5種のカエルを90%以上の高精度で判別できました。また調査地においてカエルをほぼ毎日数えたところ、鳴き声の活発さを表す指標が高い日ほど出現個体数が多いことが確認されました。ただし個体数が少ない種では検出が難しくなることや、鳴き声の活発さが産卵状況と必ずしも強く相関しないといった課題も見つかりました。今後AIを利用した野外調査が活発化するなか、カエルの音響モニタリングを有効に実施するために本研究が土台の一つとなると期待されます。  本研究成果は、2023年11月17日に、国際学術誌「Ichthyology & Herpetology」にオンライン掲載されました。
www.kyoto-u.ac.jp

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