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幼児の「スケールエラー」、発達ピークと言語能力の関連性を解明|大阪大学


小さな子どもが大きさの判断がつかずに
ミニカーに乗ろうとしたり、人形の靴を履こうとするなど
極端に小さいものに自分の体をはめてみようとすることを
「スケールエラー」と呼ぶそうです。

大阪大学、江戸川大学、京都大学、東京大学の
研究グループは、幼児に特有の行動である
スケールエラーが、発達のどの時期に
どのくらい生起するのかを調べるため、
過去の複数の研究において日本や海外で
収集された528名分のスケールエラーデータを統合し、
「ゼロ過剰ポアソンモデル」という統計モデルを
当てはめることによって分析。

その結果からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

幼児の「スケールエラー」、発達ピークと言語能力の関連性を解明 – ResOU
大阪大学大学院人間科学研究科の萩原広道助教、江戸川大学社会学部人間心理学科の石橋美香子講師、京都大学大学院文学研究科の森口佑介准教授、東京大学大学院教育学研究科の新屋裕太特任助教らの研究グループは、幼児に特有の行動である「スケールエラー」が、発達のどの時期にどのくらい生起するのかを、大規模データを用いて世界で初めて明らかにしました。さらに、スケールエラーとの関連が指摘されていた言語発達について、動詞や形容詞の習得が特にスケールエラーの生起と密接に関わっている可能性を発見しました。 スケールエラーは1~2歳ごろの子どもにしか見られない特有の現象として注目されていました。しかし、これまでの研究でスケールエラーを示す子どもと示さない子どもがいることが報告されており、観察時にたまたまスケールエラーを示さなかっただけなのか、もともとスケールエラーを示さない子どもだったのかを区別できませんでした。そのため、発達心理学や工学、神経科学などのさまざまな分野で関心をもたれてきた興味深い現象であるにもかかわらず、スケールエラーが発達のどの時期に最もよく見られるのかには統一的な見解がありませんでした。 今回、萩原助教らの研究グループは、過去の複数の研究において日本や海外で収集された528名分のスケールエラーデータを統合し、「ゼロ過剰ポアソンモデル」という統計モデルを当てはめることによって、観察環境によってスケールエラーが見られるピーク時期が異なること(研究室での短時間観察では生後18ヶ月ごろ、保育園での長時間観察では生後26ヶ月ごろ)を解明しました。さらに、名詞の発達との関連が指摘されていたスケールエラーに対して、むしろ動詞や形容詞の発達の方がより密接な関連をもつ可能性を見出しました。これにより、子どもがなぜスケールエラーという不思議な行動を示すのかを理解する端緒が得られ、抽象的な認知能力の発達メカニズムを解明することにつながると期待されます。 本研究成果は、発達科学誌「Developmental Science」に、3月28日(木)に公開されました。
resou.osaka-u.ac.jp

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