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サルも親しかった仲間の遺体に寄り添う|大阪大学

大阪大学の研究グループは、岡山県真庭市の
神庭の滝周辺で生息する「勝山ニホンザル集団」を
地元自治体の関係者と共同で67年にわたり調査しており、
サルの顔を覚え、名前を付けて行動観察をしています。

1990年から2025年現在までに、勝山ニホンザル集団で
生まれて、おとなになったサルは532頭で、そのうちの
4頭が死に至ったそうですが、この長期調査の過程で、
死亡直前あるいは死亡直後の4頭のサルに対して、
仲間のサルたちが示した行動を詳細に記録することに
成功したそうです。

今回の研究からわかったこととは?
詳しくはリンク記事でご確認ください。

サルも親しかった仲間の遺体に寄り添う – ResOU
大阪大学の中道正之名誉教授と同大学院人間科学研究科の山田一憲准教授は、野生ニホンザル集団(岡山県真庭市)で、死亡直前または死亡した4頭のおとなのサルに対する他のサルたちの行動を詳細に記録することに成功しました。研究グループは、4頭が元気な時の毛づくろい相手や一緒に過ごす仲間を長期間定量的に記録し、死亡直前または死亡直後の遺体に対する群れのメンバーの行動が、生前の親和関係によって影響を受けることを明らかにしました。 ケガによって体調が悪化しても、以前から親しくしていた個体は近くに留まったり、毛づくろいしたりするなどの親しい関わりを続けていました。しかし、ウジがわき、身体状況が急激に悪化した後は、親しかった個体も関わりを避けるようになりました。また、サルが遺体を発見すると、遺体周辺への接近が抑制され、群れ全体の行動にも影響が生じることがありました。そんな中、親しかった個体の一部は、ウジが付着する仲間を毛づくろいしたり、遺体の近くに留まったり(写真1)、さらには、遺体に毛づくろいをすることもありました。 「遺体やウジが忌避される一方で、親しかった一部の個体が仲間の遺体のそばに留まった、毛づくろいをした」という事実は、ニホンザルが「近親者や親しかった仲間の死に、特別な行動を示す」ことを示唆します。本研究の成果は、ニホンザルと私たち人間の死生観に類似性があることを指摘するものであり、人間以外の動物の死生観の進化を考える「比較死生学」の発展に貢献するものとなります。 本研究成果は、国際学術誌「Primates」に、6月24日(火)正午(日本時間)に公開されました。
resou.osaka-u.ac.jp

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