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ニホンザルの季節適応力を解明 腸内細菌が果たす食物の季節変化への適応能力|京都大学

京都大学の研究グループは、屋久島に生息する
野生ニホンザルを対象に、食性の季節変化に対して
腸内細菌叢がどのように応答し、発酵機能を通じて
どのように宿主を支えているのかを解明することを
目的として、1年間にわたり継続的な糞試料の採取と
行動観察を実施。

行動観察では、個体がどのような食物を選び、
どの時期にどの程度摂取しているかを記録し、
腸内細菌の変化と実際の食性データを結びつけ、
遺伝子解析により腸内細菌叢の組成を把握。
さらに、腸内細菌の働きを機能的に評価するため、
試験管内発酵実験も実施。

詳しくはリンク記事でご確認ください。

ニホンザルの季節適応力を解明―腸内細菌が果たす食物の季節変化への適応能力― | 京都大学
 半谷吾郎 生態学研究センター准教授、Lee Wanyi 同特定助教らは、屋久島に生息する野生ニホンザルを対象に、食性の季節変化に対応する腸内細菌叢の適応メカニズムを解明しました。  野生動物にとって、季節による食物の変化は大きな課題です。ニホンザルは果実や種子を優先的に摂取しますが、これらが不足する季節には、代替的に葉や樹皮といった低栄養の資源を利用します。しかし、葉や樹皮は繊維質が多く、サル自身の酵素だけでは十分に消化できません。そのため腸内細菌が発酵によって繊維を分解し、短鎖脂肪酸と呼ばれるエネルギー源を生み出すことが、生存の鍵となります。これまで腸内細菌の組成が季節で変化することは知られていましたが、実際にどのように消化機能へとつながっているかは十分に解明されていませんでした。腸内細菌は季節の変化に応じて機能を調整し、特に冬に多く利用される葉の発酵能力が向上することが明らかになりました。これは、低栄養の季節を生き抜くうえで腸内細菌が重要な役割を果たしていることを示しています。  本研究成果は、2025年9月1日に、国際学術誌「Ecology and Evolution」にオンライン掲載されました。
www.kyoto-u.ac.jp

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