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ウイルスに感染した植物上ではアブラムシ産仔数が減少することを自然環境下で発見|京都大学

植物ウイルスの多くは、植物上でたくさんの仔をつくる
アブラムシなどの吸汁昆虫によって運ばれ、
感染を広げていきます。ウイルスの感染は広がると、
農作物の収量の低下などの問題が発生します。

京都大学、滋賀大学の研究グループは、
自然環境下ではウイルスが感染を広がりにくくなる
メカニズムがあるのではないかと考え、
アブラナ科多年草のハクサンハタザオと本植物の
自然生育地で確認されているカブモザイクウイルス、
およびアブラムシを対象とて、野外調査・室内実験・
網羅的遺伝子発現解析の3つの手法を組み合わせて
研究を実施。

詳しくはリンク記事でご確認ください。

ウイルスに感染した植物上ではアブラムシ産仔数が減少することを自然環境下で発見〜ウイルスが宿主植物の遺伝子発現を変化させ昆虫被害を軽減〜 | 京都大学
 大坪雅 生態学研究センター博士課程学生、本庄三恵 同准教授、工藤洋 同教授、西尾治幾 滋賀大学講師からなる研究グループは、カブモザイクウイルスに感染したアブラナ科多年草のハクサンハタザオ上で、アブラムシの産仔数が減少することを発見しました。さらに、網羅的遺伝子発現解析の結果、ウイルス感染はアブラムシの吸汁・繁殖を抑制するように植物の遺伝子発現を変化させることを明らかにしました。アブラムシは植物を吸汁し弱らせるだけでなく、ウイルスを運ぶ媒介者でもあります。そのため、アブラムシ数の減少は植物集団内のウイルス感染の拡大を抑制すると予想されます。これまで、ウイルスは感染植物上のアブラムシの行動を活発にすることで、感染を促進する例が報告されています。しかし、感染を抑制するようにアブラムシの行動が変化するという報告はなく、本研究が初めての報告です。本研究の結果、野生植物集団においてウイルス感染植物上のアブラムシ食害量および急激なウイルスの感染拡大が抑えられることが示唆されました。これにより、ウイルスと感染植物の長期的な関係を支える相互作用の一端が明らかになりました。  本研究成果は、2025年10月14日に、国際学術誌「Molecular Ecology」にオンライン掲載されました。  
www.kyoto-u.ac.jp

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