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【MOOCs】無料で学べるオンライン大学講座「gacco」

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前回、【サービス】新しい学び方:MOOCs
https://andla.jp/wp/?p=1466
では、インターネットを利用して、
誰でもが受講することができる仕組みである、
「MOOCs」の概要について説明しました。

今回は、その説明の中でも登場した、
JMOOCが公認したプラットフォームである「gacco」について
詳しくみていきたいと思います。

gaccoの概要

gaccoは、株式会社ドコモgaccoがプラットフォームを提供しています。

gacco
https://gacco.org

gacco – すぐに始めてずっと続けられる動画学習サービス
gaccoとはすぐに役立つスキルからずっと役立つ教養まで、人生100年時代の学びが体験できる日本最大級の動画学習サービスです。
gacco.org

gaccoでは大学講師陣による無料のオンライン講座を提供しています。
gaccoは日本初のMOOC(大規模オープンオンライン講座)として、
多彩な講師陣を迎えて新しい教育サービスを提供しています。

gaccoの詳しい仕組みについては、以下のページが参考になります。

gaccoとは
https://gacco.org/about.html

gaccoとは | gacco
JMOOC公認サービスであるgaccoでは大学講師陣による無料のオンライン講座を提供しています。gaccoは日本初のMOOC(大規模オープンオンライン講座)として、多彩な講師陣を迎えて新しい教育サービスを提供しています。
gacco.org

3つの特徴として、
「様々なジャンルの講義」+「ディスカッション」+「修了証」
を挙げています。
また、オンライン講義、スマホやタブレットでの受講、
受講者同士の相互採点、対面学習、ミートアップ
などの仕組みが用意されています。

会員数は、2017年5月時点で、 
35万人を超えたと記載があります。

2017年7月1日付で株式会社ドコモgaccoの代表が
伊能美和子氏から嶋本由紀子氏に変更となりました。
6月20日から、初の有料講座が開講するなど、
gaccoのプラットフォームを活用して、新しい展開も始まっています。

gaccoを数字で見る:開講している組織

gaccoでこれまでに開講された講座と、現在ホームページに
掲載されている開講中及び募集中の講座を概観してみたいと思います。

以下のデータは、
・現在開講している講座リスト:https://gacco.org/
・これまでの開講した講座リスト: https://gacco.org/archive.html
をベースに算出しました。(2017年7月3日現在)

2014年の開設時点から、7月3日までに
gaccoで開講された講座は139講座、
開講中が7講座、開講予定の講座は6講座で、
合計で152講座でした。
※講座数について
1つの講座を、時期を変えて何度か開講している場合がありますが、
それぞれを1講座としてカウントしました。

152講座を開催している組織あるいは個人の分類は以下の通りです。

gacco講座開設組織一覧表

大学が61.8%で最も多くなっていますが、
企業や団体が開催している講座も20.4%と思った以上に多い印象です。

※分類名について
「個人」とは、大学や企業などの主催ではなく、
特定の分野で著名な方による講義を分類しました。
「複数」とは、複数の組織が連携して、あるいは様々な大学や組織の方が
講師として交代で講義をする形となっている場合を指します。

gaccoは大学が主催している講座が多いのかなと思っていましたが、
意外にバリエーション豊かな顔ぶれですね。
2014年の開始当初は大学が主体だったけれど、
年を追うごとに徐々に企業や団体が
増えてきているといった印象です。

まず、講座を開講している「大学」についてみていきましょう。

最も多く開講している大学は、東京大学です。
2014年の開設時点から、合計で13講座開講しています。
次いで、大阪工業大学、慶應義塾大学、武蔵大学が
5講座となっています。

その他の開講数は以下の通りです。
(4講座開講)
大阪産業大学、立教大学
(3講座開講)
桜美林大学、上智大学、大阪大学、大手前大学、
東京未来大学、東北大学、日本大学、明治大学、
京都造形芸術大学
(2講座開講)
京都大学(iPS細胞研究所)、駒澤大学、芝浦工業大学
大阪市立大学、武蔵野美術大学、文化学園大学
法政大学、北海道大学、名古屋商科大学、立命館大学
早稲田大学
(1講座開講)
学習院大学、関西大学、国士舘大学、産業能率大学
滋賀大学、首都大学東京、千葉工業大学
大妻女子大学、大阪工業大学大学院
帝京平成大学

「大学院」は、5校の参加となっています。
SBI大学院大学、グロービス経営大学院
情報セキュリティ大学院大学、大阪大学医学部大学院
中央大学大学院 戦略経営研究科(ビジネススクール)
で、経営学関連の大学が多いようです。
何かを深める学びを求める社会人にとって、大学院も選択肢の
ひとつではないかと思うのですが、大学院の参加は
案外少ないんだなという印象です。

「官公庁」に分類したのは、
国立情報学研究所と総務省統計局。

「企業・団体」に分類したのは、
資格の学校TAC、日本医療社会福祉協会、いよココロザシ大学
ジェック、幼児教育実践研究所、IMPACT Foundation Japan
オデッセイコミュニケーションズ、サイコム・ブレインズ、
一般社団法人サービス産業革新推進機構、
英会話イーオン、建設業振興基金、子どもの発達科学研究所、
東京コンテンツプロデューサーズ・ラボ、日本棋院
となっています。
資格の学校TACは、東京大学と同じ13講座開講しています。

「個人」は、脳科学の茂木健一郎さんの
個人名で開講されている講座があります。

gaccoを数字で見る:講座の内容

次に、講座が扱っている内容をタイトルから検討し、
内容の大枠を表すタグ付けしてみました。
※タグ付けはあくまでも、主観で分類していますので、
内容の詳細を示すものではありません。
※1つの講座で1つのタグが付くこともありますし、
複数のタグが付く場合もありますので、
タグ数は講座数とイコールではありません。

このようにタグ付けした結果を出現数で分析し、
まとめた表を以下に掲載します。
※分析には、KH Corder2.00を使用。
抽出語の出現数をランキングで提示。

gacco講座タグ抽出数一覧

最も多く出現したタグは「情報技術」です。
扱っているテーマは、 インターネットやプログラミング、
システム、ネットワークなど、現在の大学では
基礎科目となっている情報学のような内容が並びます。

次いで、「経営」です。
大学院が開設している講座は「経営」について扱うものが
多いのですが、大学が開講している講座にも、
「経営」に関する講座があります。
ビジネスプランの策定、マネジメントや事業開発、
リーダーシップなどを扱うテーマもあります。

そして、「統計」が3番目に多くになっています。
最近は「統計」に関する書籍が売れているなど、
統計学に興味を持っている人が増えていることもあり 、
gaccoでも基礎的な講座から、推測統計や多変量解析を扱う講座、
さらにオープンデータを扱う統計などの講座も開設されています。

こうしたイマドキといいますか、
最近流行っているようなテーマだけでなく、
意外に多く開設されているジャンルとして、
「歴史」や「文化」があります。
かつて学生時代に学んだことが、それ以降の研究によって
さらに深められたり、新たな知見が生まれたり、異なる切り口で
捉えることができたりといった面もあり、新鮮な驚きを感じる
魅力的な学問と再確認できる講座がいくつもあります。

gaccoを数字で見る:開講回数

2014年から2017年7月3日までの間で、
1つの講座が複数回開講されている講座があります。
開講回数が多いものをみてみましょう。

これまでに4回開講された講座は、
・インタラクティブ・ティーチング
・社会人のためのデータサイエンス入門
・統計学Ⅰ:データ分析の基礎
いずれも、人気があるようですね。

3回開講された講座は、
・《実務・資格講座》はじめての簿記
・デザインへのまなざし
・はじめて情報システムを学ぶ学生・生徒のために
・ビジネスプランをつくってみよう
・モチベーション・マネジメント
・交通事故被害者生活支援教育
・日本中世の自由と平等

gaccoを受講するときに難しいと感じる点として、
開講しているタイミングに自分が受講できる状態でないと
履修できないという面があります。
「本当は受講してみたいけれど、この時期は仕事の都合で難しい。」
「気づいたら、授業がスタートしてから数回経過していて追い付けない!」
などの理由で、受講をあきらめざるを得ないときも。
そんな時に、再度開講してもらえたらと思うことはあります。

全ての講座で再登場はないものの、受講のチャンスが
まためぐってくる講座があるのは嬉しいかもしれませんね。

以上、gaccoのこれまでの状況を数字で見てきました。
いかがでしたか。

少し気になっているのは、最近大学の参加が少し減っていて、
企業や団体が主催する講座が増えているという点です。
講座のバリエーションが増えるのはよいと思うのですが、
gacco の3つの特徴の1つ目に記載してある
「本格的な大学講義」ということ離れてしまわないかということが
気になっています。

この7月で代表者が変更になり、有料の講座も開設され、
少しずつ路線が変わりつつあるような気もしています。
今後の動向が気になるところです。

私はこれまでに、統計学や教育系、そして歴史や文化の講座などもいろいろと受講しているけど、面白いよ~。

よくそんな時間あるなぁ、いつ受講してるの?

実は受講数は多いんだけど、修了できていない講座が結構ある。忙しい時期に開講されていて、気づいたら4週目まで過ぎていたということが多くて、なかなか修了証がいただけるような受講スタイルに持っていけないのが悩み。どうしたものか。次回もMOOCsの一つをご紹介予定です。お楽しみに。


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