新入生のさとうさん、WordやExcelのまま
データを送付しているようですが、
場合によってはPDF形式で送付したほうがよいこともあります。
さて、それはどんな時でしょう。
WordやExcelをPDFで保存する基本的な方法と、
Acrobat Readerをインストールして、
注釈機能を使ってPDFを活用する方法について説明していきましょう。
●パソコンで学ぶために最低限整えたい10のこと
(1) タスクバーによく使うアプリを固定する(掲載済み)
(2) 専用フォルダーをつくる(掲載済み)
(3) ファイル名の付けかた(掲載済み)
(4) バックアップを自動化する(掲載済み)
(5) クラウドサービスを利用する(掲載済み)
(6) USBドライブは補助的に(掲載済み)
(7) メモ帳機能を使う(掲載済み)
(8) 画面キャプチャの方法を知る(掲載済み)
(9) 圧縮と解凍ツール(掲載済み)
(10) Acrobat Readerのインストール
PDF形式で保存する理由
PDFとは、Portable Document Format の略称です。
様々なソフトウェアで作成したファイルを
PDF形式で保存すると次のようなメリットがあります。
・作成したファイル(ドキュメント)の書式が維持されるため、ファイル共有が簡単である
・オンラインでの表示、印刷した場合のいずれでも、制作者側が設定した書式が維持される
・相手がそのソフトウェアを持っていなくても閲覧することができる
・スマートフォンなどのモバイルでも閲覧することができる
・多くの機関や組織で受け入れ可能な形式
・ファイルサイズを小さくすることができる
例えば、WindowsのWord形式
(docやdocxなどの拡張子がつく形式)で
保存したファイルを、MacのWordで開くとします。
OSによって使用されているフォントが異なるので、
文字の折り返しが思ったところになかったとか、
レイアウトが崩れていたということが起こる場合があります。
しかし、PDF形式で保存すると
WindowsのWord形式で作成したときの
書式設定がそのまま維持されるので、
MacでPDFを表示してもレイアウトが崩れることはありません。
ファイルサイズが小さくなるのも大きなメリットです。
さらに、最も大きな利点は、相手の利用している環境を
意識せず、書類のやり取りができることと言えるでしょう。
WordやExcel、PowerPointをPDF形式で保存する
WordやExcel、PowerPointなどは、
保存する際にPDF形式で保存できる機能が備わっています。
保存方法が複数あり、どの方法で作成しても
PDF形式のファイルを保存することができます。
(1)[名前を付けて保存]でPDF形式を選択して保存
(2)ファイルメニューの中の[Adobe PDF として保存] をクリックして保存
(3)エクスポートや保存と送信メニュー(Office2010の場合)で保存
(4)ファイルメニューの[印刷]をクリックし、プリンターの項目の中にある[Adobe PDF]を選んで保存
(5)Acrobat PDF(有料)をインストールしている場合は、
メニューにAcrobatタブがあるので、そこから[PDFを作成]を選択する
などがありますが、いずれで保存してもPDF形式で保存できます。
今回は上記の中から、最も簡単に保存できる方法である
(1)と(2)について手順を説明します。
(1)[名前を付けて保存]でPDF形式を選択して保存する方法
Word、Excel、PowerPointいずれの場合も同じ動作です。
Wordを例に説明します。
ファイルメニューから[名前を付けて保存]を選択し、
表示された画面の「ファイルの種類」をクリックすると、
その中に「PDF」がありますので、それを選択して保存します。
(2)ファイルメニューの中の[Adobe PDF として保存] をクリックして保存
まずは、PDFにする前にWordやExcel、PowerPointなどで
作成したものを保存します。
その後、ファイルメニューから[Acrobat PDFとして
保存]を選択して保存します。
ただし、作成したものを保存する前に
[Acrobat PDFとして保存]
をクリックすると、次のようなアラートが出る場合があります。
PDFを作成する前に元のファイル(ドキュメント)を
上書きして保存しても大丈夫であれば「はい」を選択します。
元のファイルを上書きせずに別ファイルとして
保存しておく場合は「いいえ」を選択して
別名を付けて保存した後に、
[Acrobat PDFとして保存]をクリックしてください。
Acrobat Reader DCをインストールする
単にPDFで保存するだけであれば、
先ほどで説明した方法で可能ですが 、
Acrobat Readerを使用するとPDFの表示、
印刷、注釈の追加が可能になります。
特に、学習においてPDFを使用するときには、
この注釈機能が役に立ちます。
それでは、インストール方法と注釈機能について説明しましょう。
●インストール方法
以下のウェブサイトより、ダウンロードします。
Acrobat Reader DC
https://acrobat.adobe.com/jp/ja/acrobat/pdf-reader.html
※インストール時の注意
・以下のインストール画面の中央にある「提供オプション」という
項目にあるソフトウェアをインストールしたくない場合は、
必ずチェックを外してから[今すぐインストール]ボタンを
押すようにしてください。
インストールが終わると、
画面の色(ライトカラーまたはダークカラー)の
選択画面が表示されるので、いずれかを選択します。
以上でインストールは完了です。
Acrobat Reader DCの注釈機能の使いかた
PDFファイルをAcrobat Reader DCで開きます。
画面の右側にあるメニューの中から注釈をクリックすると、
上部に注釈のメニューが現れます。
表示される注釈メニューは以下のとおりです。
(1)から(13)まで順番に説明します。
※(14)~(17)について
(14)選択したツールを維持、(15)色の選択、
(16)線の太さ、(17)テキストのプロパティ
これらは、(1)~(13)までのメニューの中で設定できる場合に
アクティブになる補助機能です。
それぞれの機能については以下の該当する文中で説明しています。
(1) ノート注釈を追加
付箋にメモを書いて貼り付けるような感覚で、
このアイコンで入れる注釈を入れることができます。
注釈を入れたい場所にカーソルを置いて、
(1)のアイコンをクリックします。
表示された入力ボックスに注釈を入力して、
[投稿]ボタンをクリックします。
なお、画面の右側には、注釈を入れるごとに
履歴が表示されるエリアになります。
そこでは、注釈を並べ替えたり、
特定の注釈を選んだり、注釈の検索をすることができます。
また、そこに表示された注釈を選んで
右クリックすると削除することもできます。
入力ボックスを閉じると、以下のようにノート注釈を
入れた場所に吹き出しマークが表示されます。
(2) テキストをハイライト表示
テキストをハイライトしたい部分を選択して、
このマークをクリックすると蛍光ペンでなぞったように
ハイライトすることができます。
※ハイライト部分を選択すると
(15)のアイコンがアクティブになり、
色を選択することができます。
(3) テキストに下線を引く
下線を引きたい部分を選択して、
このアイコンをクリックすると下線を引く ことができます。
※下線部分を選択すると(15)のアイコンがアクティブになり、
下線の色を選ぶことができます。
(4) テキストに取り消し線を引く
取り消し線を引きたい部分を選択して、
このアイコンをクリックすると下線をひくことができます。
※取り消し線を引いた部分を選択すると
(15)のアイコンがアクティブになり、線の色を選ぶことができます。
(5) 置換テキストにノートを追加
文章の一部を別な表現に置き換えたいというときに使用します。
置き換えたい部分を選択して、
このアイコンをクリックすると入力ボックスが表示されます。
置き換える文字を入れて[投稿]ボタンをクリックした後、
投稿入力ボックスを閉じます。
すると、 以下のような置換テキストのノートが
入っているというマークに変わります。
※置換テキストの選択部分をクリックすると
(15)のアイコンがアクティブになり、線の色を選ぶことができます。
(6) カーソルの位置にテキストを挿入
文章のある部分に文言を追加したいというときに使用します。
挿入したい部分にカーソルを置いて、
このアイコンをクリックすると入力ボックスが表示されます。
挿入する文字を入れて[投稿]ボタンをクリック、
表示されている入力ボックスの右上のバツ印をクリックします。
すると、以下のようなマークに変わります。
※挿入マークをクリックすると(15)のアイコンが
アクティブになり、マークの色を選ぶことができます。
(7) テキスト注釈を追加
テキスト注釈のボタンをクリックすると、カーソルを
置いたところに直接テキストを入力することができます。
この操作を行うと、(17)のアイコンが自動的に開き、
テキストのフォントや文字色などの変更もできます。
(8) テキストボックスを追加
テキストボックスに文字を入れて表示することができます。
テキストボックスの中に文字を入力している時には、
(17)のアイコンが自動的に開き、テキストのフォントや
文字色などの変更もできます。
入力後、テキストボックスを選択すると、
(15)のアイコンで色の選択ができるようになります。
(9) フリーハンドの線を描画
フリーハンドで描画ができます。
描画しているときに(14)のアイコンがアクティブになり、
連続して描画ができるようになっています。
(14)をクリックしてオフにすると
1回の操作ごとに描画を区切ることができます。
また、(15)色の選択と(16)線の太さもアクティブになりますので
選択できます。
(10)描画を消去
このアイコンをクリックして、描画したものの一部に触れていくことで、
その部分を消すことができます。
(11)スタンプ を追加
Acrobat Reader DCには、一般的によく使われている
ゴム印のようなスタンプがいろいろと用意されています。
スタンプマークをクリックすると、スタンプを選んだり
設定したりできるメニューが表示されます。
また、カスタムスタンプも利用できます。
詳しくは、Adobeのホームページで確認してください。
Acrobat DCヘルプ / PDF へのスタンプの追加(Adobe)
https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/adding-stamp-pdf.html
(12)新規添付ファイルを追加
Acrobat Reader DCを使って、
PDFファイルにファイルや音声ファイルを添付することができます。
(11)のアイコンをクリックして、ファイルの添付か
音声ファイルの添付かを選びます。
すると、添付ファイルのプロパティが表示されるので、
PDF上に表示するアイコンを選んだり、
一般タブで添付ファイルの情報を入力したりします。
添付ができると、以下のように先ほど選択したマークが
PDF上に表示されます。
この表示されたマークをマウスオーバーすると
添付ファイルの内容(ファイル名)を見ることができます。
(13)描画ツール
描画ツールボタンをクリックすると、あらかじめ用意された
図形を選択して表示させることができるようになります。
以上のように、注釈を使用してPDFに情報を追加することができます。
PDFで保存した資料を活用して学びを深めたり、
レポートなどの校正を相互に行ったりすることができます。
是非活用してみてください。